Rubyでサブクラスの一覧を取得する方法

タグ: ruby / 公開: 2014-02-11

ActiveSupportを使った方法

ActiveSupportを使っていればClassが拡張されてClass.subclassesメソッドが使えるようになっている。このメソッドはクラスのサブクラスのリストを返すものだ。例えばIntegerのサブクラスを得るには、以下のようにする。

require 'active_support/core_ext/class/subclasses'

p Integer.subclasses #=> [Fixnum, Bignum]

ActiveSupportを読む

これだけではつまらないので、ActiveSupportのソースコードを読んで、どのようにサブクラスを見つけているのか調べてみよう。定義はsubclasses.rbである。

require 'active_support/core_ext/module/anonymous'
require 'active_support/core_ext/module/reachable'

class Class
  begin
    ObjectSpace.each_object(Class.new) {}

    def descendants # :nodoc:
      descendants = []
      ObjectSpace.each_object(singleton_class) do |k|
        descendants.unshift k unless k == self
      end
      descendants
    end
  rescue StandardError # JRuby
    def descendants # :nodoc:
      descendants = []
      ObjectSpace.each_object(Class) do |k|
        descendants.unshift k if k < self
      end
      descendants.uniq!
      descendants
    end
  end

  # Returns an array with the direct children of +self+.
  #
  #   Integer.subclasses # => [Fixnum, Bignum]
  #
  #   class Foo; end
  #   class Bar < Foo; end
  #   class Baz < Bar; end
  #
  #   Foo.subclasses # => [Bar]
  def subclasses
    subclasses, chain = [], descendants
    chain.each do |k|
      subclasses << k unless chain.any? { |c| c > k }
    end
    subclasses
  end
end

通常の実装とJRuby用の実装があり少々わかりにくいが、descendantsが実装の肝である。抜粋してみる。

    def descendants # :nodoc:
      descendants = []
      ObjectSpace.each_object(singleton_class) do |k|
        descendants.unshift k unless k == self
      end
      descendants
    end

singleton_classメソッドでクラスを取得し、ObjectSpace.each_objectに渡している。ObjectSpace.each_objectは、与えられたクラスに対して以下の動作をする。

指定された klass と Object#kind_of? の関係にある全ての オブジェクトに対して繰り返します。引数が省略された時には全てのオブ ジェクトに対して繰り返します。 繰り返した数を返します。

ようはkind_of?の関係、クラスを継承しているクラスが子孫代々すべて取得できるわけだ。unless修飾子はこのクラス自身をリストに含めないためにつけられている。

続いてdescendantsの呼び出し元のsubclassesメソッドを見てみる。

  def subclasses
    subclasses, chain = [], descendants
    chain.each do |k|
      subclasses << k unless chain.any? { |c| c > k }
    end
    subclasses
  end

こちらは少々トリッキーだが、特に難しいことはしていない。クラスの配列から親クラスが配列中に含まれていないクラス、つまりselfの直接の子クラスだけを抽出している。親がリストに含まれている孫クラス以降はすべて除外されて、親がリストに含まれていない子クラスだけが残る仕組みだ。

自分でサブクラスを取得してみる

以上で、サブクラスを取得する仕組みがわかった。 やっていることは簡単なのだが、ActiveSupportのsubclassesの実装は、descendantsをJRuby対応させたことで妙に複雑になってしまっているように見える。

JRubyを考慮しなければ、subclassesの実装は以下で良いような気がする。直接ObjectSpace.each_objectを呼び出し、selfを親に持たないクラスを除外するだけだ。

class Class
	def subclasses
		subclasses = []
		ObjectSpace.each_object(singleton_class) do |k|
			subclasses << k if k.superclass == self
		end
		subclasses
	end
end

p Integer.subclasses #=> [Bignum, Fixnum]
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ぺけみさお / xmisao
プログラマ。
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